展示会から世界へ進出|志村精機
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展示会で拓く新天地
直径0.1mm級の極小部品や、金属から樹脂などの難削材で試作開発を行う国内でも有数の高い技術力を保有。
海外進出をするも当初は欧州(ドイツ)の外注文化の壁に直面し、展示会を起点に国と分野を見直して、米・シンガポールで引き合いを拡大。海外売上は現在1〜2割、50〜60%を目指す。
海外へ動き出した最初の一歩
海外展開を模索し始めたのは社長に就任した約5〜6年前ですね。精密機器の本場・ドイツ市場への挑戦が出発点でした。大田区の支援制度を活用して展示会に出展しました。英語が堪能であった専務に同行してもらい海外展開を始動しました。
ちょうど世代交代の時期で、自分の代では何か新しいことに挑戦したいという思いがありました。専務が英語に強く海外志向があったことも後押しになりました。技術的な自信はありましたが、海外での評価を確かめるには「まず出てみよう」と。大田区の支援もあって挑戦を決めました。
国内で磨いた技術を強みに、いざ海外へ
国内では、他社では敬遠されがちな精度要求の高い案件を継続的に引き受け、金属に加えて樹脂にも対応領域を広げる中で、メーカーからの信頼を積み上げてきました。
その上で約10年前に微細加工へ本格的に取り組み、小さな部品が海外でも受け入れられる手応えを得ました。こうした積み上げを背景に、展示会を起点に国と分野を検証していく判断に至りました。
海外展開の起点はヨーロッパ、とくにドイツでした。精密機器や時計・精密部品の集積地で需要を見込み、大田区からの展示会紹介も後押しとなり適合性を確かめるところから始めました。
想定外の障壁、次の一手へ
いざ進出してみてわかったことなのですが、ドイツでは「社内で加工を完結する」文化が強く、外注サプライヤーが入りにくい状況でした。想定よりも伸びづらく、最初の壁でしたね。
「合う国・分野」を探る方針に切り替え、展示会を軸に欧米・アジアで反応を比較しました。ドイツが難しければ他地域も試す方針で、アメリカ・タイ・シンガポールへ出展の場を広げました。
展示会で“合う市場”を見極める
はい。ドイツの後、アメリカ・タイ・シンガポールへも出展し、現地の反応を比較しました。その中で、アメリカでは当初、受託は自動車関連部品が中心でしたが、EV化の流れもあり伸び悩みの兆しが見え、他分野も検証する必要がありました。
当社の微細加工技術を携えてアメリカの医療分野の展示会に出展したところ、反響が大きかったのです。ここを転機に、アメリカでは医療に絞って展開する方針を固めました。
以降、アメリカやシンガポールで医療向けの引き合いが増えています。自動車向けをやめたわけではありませんが、成長の軸は医療に置いています。
医療分野へのシフト、そして未来へ
医療分野での引き合いが増え、アメリカやシンガポールで拡大しています。
さらには、試作開発だけでなく、自社開発製品の開発にも取り組み、国内と海外の売り上げ比率を半々くらいに伸ばしていきたいと考えています。
そのためには、海外展開のための人材雇用を積極的に行っていきたいと、真剣に考えているところです。
多くの企業が、海外人材の不足や「踏み出すきっかけがない」ことで足が止まっていると感じます。私たちも最初は同じでしたが、大田区から展示会を紹介いただいたことがきっかけになりました。
語学に関しても、英語で動ける人材は当時専務ひとりだけでしたが、それでも海外展示会に出展する決断をしました。
小さなきっかけや協力者がいれば、挑戦はできますし、色々な壁にぶつかっても、ヨーロッパが難しければ、欧米・アジアでリサーチし、タイやシンガポールにも出展するというように歩みを止めないことが大事だと思います。どんな一歩であっても覚悟をもって、ともに日本のものづくりを世界に発信していきましょう。

グローバルニッチトップ事業本部 取締役
日本企業が海外で持続的に成果を上げるための戦略をリードしている。
「動きながら学ぶ」姿勢が、グローバル展開を成功に導く。
志村精機製作所の強みは、確かな技術力に加え、挑戦を恐れない行動力にあります。 ドイツでの苦戦を糧に、展示会という実践の場を通じて「どの国で、どの分野に適合するか」を検証し続けた点は非常に戦略的です。
また、金属と樹脂の両軸を持つ二兎戦略が、海外市場での柔軟な対応力を生んでいます。 技術を“守る”だけでなく、“試す”ために一歩を踏み出す—— その姿勢こそ、世界に通じる中小製造業のモデルケースと言えるでしょう。
志村精機製作所の基本情報
1964年に品川の小さな町工場でフライス加工事業を始めたのがルーツ。金属の切削を主軸に据え、その後、代を重ねる中で「他社がやりたがらない仕事」に挑み続け、工作機械は創業当初の1台から現在は40台超へと拡大しました。3代目の時代には金属に加えて樹脂切削へも領域を広げ、千葉・大網に樹脂工場を設立。当初は事務機・カメラなどの試作開発を手掛け、徐々に自動車・時計・医療部品へと対象分野を拡張。4代目の現在、海外展開にも注力しています。
| 会社名 | 株式会社志村精機製作所 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都大田区東馬込1-49-6 |
| 代表者 | 志村 哲央 |
| 設立 | 1964年9月 |
| 事業内容 | ・樹脂、金属の試作と量産 ·精密機器、事務機器、光学機器、医療機器の切削加工 ·金型の設計と製作 など |
| 主要技術 | 直径0.1mm級の微細切削/難削材(金属:チタン・インコネル・タングステン等)対応/金属×樹脂の一貫加工 |
| 海外展開地域 | ドイツ/アメリカ/シンガポール/タイ |
| 公式サイト | https://shimuraseiki.co.jp/ |
本記事はFM軽井沢のラジオ番組「軽井沢ラジオ大学」での対談を再構成しています
このインタビューは、FM軽井沢にて放送された「軽井沢ラジオ大学」 株式会社志村精機製作所 社長 志村 哲央氏 × Zenken株式会社 取締役 本村 丹努琉 氏の対談をもとに編集しています。
