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特殊冷凍で食の常識を変える|デイブレイク

デイブレイクmv
業界
機械器具製造業・食料品卸売業
主力
特殊冷凍機の開発・販売、食品の凍結加工
海外
アメリカ、アジア ほか
Niche
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Point
凍らせても、できたての鮮度を失わない技術開発

2013年の創業時は冷凍機の販売代理店からスタートし、その業務の中で扱った多くの冷凍についてのデータを武器に、自社製特殊冷凍機「アートロックフリーザー」を開発。食材ごとに最適化された凍結技術に加え、航空・海上輸送といった多様な環境でも品質を維持するコールドチェーンを構築することで、“とれたての味”を国境の外へ運ぶ仕組みを実現。寿司の越境輸送すら可能にし、食品流通の新たな「夜明け」を切り拓いています。

海を渡る「冷凍寿司」。現地で覆した既成概念

2024年11月にアメリカで行われた「2024 JAPANESE FOOD EXPO」では、御社の技術で凍らせた「冷凍寿司」を出展し、現地の方々から予想を上回る高い評価を獲得したそうですね。

はい、大変ありがたい反応をいただきました。

会場で実際に、日本から空輸した冷凍寿司を試食していただいたのですが、「本当に冷凍なのか?」「日本で食べるのと変わらない」と驚きの声をいただき、用意した分がまたたく間になくなるほどでした。

現地の皆さんが持っていた「冷凍=味が落ちる」という既成概念を、私たちの技術(アートロックフリーザー)で覆せた瞬間でした。

数ある食材の中で、なぜあえて難易度の高い「お寿司」での出展を選ばれたのでしょうか?

お寿司こそが、「冷凍技術の差」が最も顕著に出る、非常に繊細な食材だからです。

お刺身はもちろんですが、シャリ(お米)の解凍や品質維持も難しいのです。輸送中の温度変化などで、一度でも状態が悪くなると、お米が白くボソボソになってしまう「白ロウ化」という現象が起きてしまいます。

つまり、「お寿司を握りたてのまま届けられる」ということは、「どんな食材でも美味しく届けられる技術がある」という証明になります。だからこそ、私たちは自社の技術力の証として、最難関であるお寿司を選んだのです。

2024 JAPANESE FOOD EXPOの様子
各会場でわずか3時間で品切れになるほど人気となった冷凍寿司の試食
引用元HP:デイブレイク
https://www.d-break.co.jp/news/event-241121-japanesefoodexpo/

「距離と時間をなくし、鮮度を運ぶ」創業の想い

そもそも、なぜお寿司を「冷凍」してまで、日本から輸送しようと思ったのですか?

「時間と場所を超えて、美味しいものを届けたい」という、創業以来の想いがあるからです。

海外の美味しいものを日本へ、日本の美味しいものを海外へ。距離や時間のせいで諦めていた「現地の味」を、そのままの品質で届けたい。そのために私たちは技術を磨いてきました。

その想いの原点はどこにあるのでしょうか?

代表の木下がかつてアジアで食べた「マンゴスチン」です。

現地で食べたマンゴスチンは感動するほど美味しかった。しかし、日本に帰って食べると味が違う。輸送のために完熟前で収穫されたり、時間が経って鮮度が落ちてしまうからです。

「あのとれたての完熟の味を、日本でもそのまま食べられないか」。その原体験から、冷凍技術を使って「時間」と「場所」の制約を超えるというビジョンが生まれました。お寿司の輸出も、そのビジョンの延長線上にある挑戦なのです。

代理店時代の「データ」が武器。後発メーカーの勝算

そのビジョンを実現するために、創業当初からメーカーとして開発を?

いえ、実は2013年の創業当時は、他社製の冷凍機を販売する「代理店」でした。

複数のメーカーの機械を扱い、お客様の食材に合わせて最適なものを提案する。その過程で、来る日も来る日も様々な食材の凍結テストを繰り返しました。

代理店としての経験が、開発の土台になったと。

その通りです。「この食材にはこの凍結方法が合う」「ここはもっとこうした方がいい」。そうやって現場のニーズを熟知したからこそ、「自分たちならもっと良いものが作れる」と確信できたのです。

そのデータを元に開発し、2021年にリリースしたのが「アートロックフリーザー」です。後発でありながら世界で通用する製品が生まれたのは、この代理店時代の積み上げがあったからこそです。

機械の輸出から、食の輸出へ。段階的な海外展開

具体的な海外展開は、どのようにして進められたのでしょうか?

大きく分けて2つの段階があります。

まず、2017年頃から始まったのは「冷凍機の輸出」です。これは現地の食材を現地で凍らせるための、機械単体の販売でした。

そして第二段階が、私たちが創業時から目指していた「とれたての味を世界へ届ける」という、冷凍技術を活用した「食品流通」としての本格的な進出です。これは、実は昨年から始まったばかりの新しい挑戦なんです。

まず第一段階の「機械の輸出」ですが、なぜ海外で日本の冷凍機が受け入れられたのですか?

それは、日本独自の「生食文化」のおかげです。

日本には刺身やお寿司など、生のまま食べる文化が根付いています。そのため、「鮮度」に対する要求レベルが世界でも圧倒的に高いのです。少しでも味が落ちたり、色がかったりすると、日本の消費者は満足しません。

厳しい消費者が、世界に通用する技術を育てたと。

はい。そうした高いニーズに応えるために、日本の冷凍技術は進化してきました。

この「日本基準」の品質こそが、海外の競合他社には真似できない、私たちの圧倒的な強みになっています。

寿司を世界へ届ける。第二段階の挑戦で立ちはだかった壁

そして第二段階として、「食品そのものの輸出」に挑まれたわけですね。

はい。しかし、そこで「高い冷凍技術があるだけでは不十分だ」という現実に直面しました。

いくら日本で最高品質に凍結できても、輸送中に温度が上がってしまえば品質は台無しになります。特に私たちが挑戦したかった「お寿司」は、輸送中のわずかな温度変化でシャリが劣化してしまうため、既存の物流網では日本と同じ味を再現できなかったのです。

「どうすれば、凍らせた瞬間の品質を維持したまま世界へ届けられるのか」。冷凍技術だけでなく、コールドチェーン(低温物流)の技術革新こそが、乗り越えるべき最大の壁でした。

その壁を、どう乗り越えたのですか?

他社との「連携」です。

輸送中の温度管理という課題に対しては、パナソニック様と連携し、真空断熱保冷ボックス「VIXELL(ビクセル)」を活用したスキームを構築しました。

さらに、海外への販路開拓や商品開発においては、双日食料様と業務提携を行いました。技術、物流、商流。それぞれのプロフェッショナルと手を組むことで、単独では不可能だった「高品質な冷凍寿司の輸出」を実現したのです。

冷凍されたお寿司と回答されたお寿司の写真
アジア最大級のグローバルスタートアップカンファレンスに出展した際のお寿司
引用元HP:デイブレイク
https://www.d-break.co.jp/news/event-250515-sushitechtokyo/

米国での「定番化」と、台湾最大手への「技術導入」

技術と物流が整ったことで、実際の市場ではどのような動きがありますか?

食品輸出の面では、米国大手日系スーパー「ミツワマーケットプレイス」での販売がスタートしました。カリフォルニア州から始まり、現在はハワイ店でも「定番商品」として導入されています。

現地ではバックヤードで解凍して並べるだけなので、寿司職人がいない店舗でも本格的なお寿司を提供できます。これが、海外で深刻化する「人手不足」や「食品ロス」の解決策として高く評価されているのです。

機械の導入に関しても、新たな成果が出ているそうですね。

はい。台湾最大の回転寿司チェーン「Sushi Express」様に、当社のアートロックフリーザーが導入されました。

サーモンなどの主力食材をセントラルキッチンで一括加工・冷凍し、店舗へ配送する体制を構築されています。採用の決め手は、ブラインドテストで「生と冷凍の区別がつかない」と評価された品質でした。これにより、店舗オペレーションの効率化と高品質の両立を実現しています。

まだ「夜明け前」。パートナーと共に挑む流通革命

最後に、今後の展望をお聞かせください。

私たちは社名に「デイブレイク(夜明け)」と名付けていますが、食品流通の夜明けはまだこれからだと思っています。

しかし、その兆しは確実に見えています。私たちは2025年を「冷凍寿司元年」と位置づけ、名だたる寿司ブランドや競合他社とも連携して、冷凍寿司の可能性を発信するイベントを開催しました。

一社だけの成功ではなく、業界全体のムーブメントにしようとしているのですね。

その通りです。冷凍寿司は、単なる新商品ではありません。職人がいなくても高品質な寿司を提供できるため、飲食業界の深刻な「人手不足」を解決し、「食品ロス」も削減できる。さらには、日本のコメ輸出拡大という国策にも貢献できるソリューションです。

実際に、農林水産省主催の試食会では大臣からも高い評価をいただきました。メーカー、物流、生産者、そして国。あらゆるパートナーを巻き込みながら、世界中の食卓に「とれたての感動」が届く未来(夜明け)を、必ず実現させたいと思います。

第55回 食品産業技術功労賞授賞式の写真
食品産業新聞社主催の食品産業技術功労賞の国際部門を受賞(2025年)
引用元HP:デイブレイク(https://www.d-break.co.jp/news/press-251119frozensushiaward/)
Zenken株式会社 取締役本村 丹努琉
本村 丹努琉
Zenken株式会社
グローバルニッチトップ事業本部 取締役
8,000社超の集客・市場開拓支援をもとに「ニッチトップマーケティング」を体系化。
日本企業が海外で持続的に成果を上げるための戦略をリードしている。

“とれたて”を越境させる発想が、食の常識を変えていく。

デイブレイクさんの挑戦は、単なる冷凍技術の進化ではありません。 代理店として蓄積した膨大なデータを基盤に、食材ごとの最適解を導き出し、 その知見を「アートロックフリーザー」という形で具現化した——この一連のプロセスが極めて本質的です。

さらに注目すべきは、機械を届けるだけでなく、輸送環境や温度変化といった “現場の壁”に向き合いながらコールドチェーンそのものを設計している点。技術と物流の両輪で価値を届ける姿勢こそ、海外で評価される理由だと感じます。

日本の生食文化が育てた繊細な品質基準を武器に、国境を越えて「食の自由」を実現しようとする取り組みは、多くの日本企業にとっても新しいヒントになるはずです。

デイブレイクの基本情報

デイブレイク公式HPのキャプチャ
引用元:デイブレイク公式HP(https://www.d-break.co.jp/)

2013年創業。「作り手から食べ手までのより良い未来を創造する」をミッションに掲げるフードテック企業。当初は冷凍機の販売代理店としてスタートし、蓄積したデータを元に特殊冷凍機「アートロックフリーザー」を自社開発。食材の細胞を傷めない高品質な冷凍技術を核に、機械の販売だけでなく、食品流通の課題解決や海外展開支援など、食のプラットフォーム事業を展開している。

会社名 デイブレイク株式会社
所在地 東京都品川区東品川2-6-4 G1ビル3F
代表者 木下 昌之
設立 2013年7月19日
事業内容 特殊冷凍ソリューション事業
特殊冷凍食材の流通事業
海外展開地域 アジア、北米、欧州など(特殊冷凍機および食品流通支援で展開)
公式サイト https://www.d-break.co.jp/

本記事はFM軽井沢のラジオ番組「軽井沢ラジオ大学」での対談を再構成しています

このインタビューは、FM軽井沢にて放送された「軽井沢ラジオ大学」 デイブレイク株式会社 広報 松本知世氏 × Zenken株式会社 取締役 本村 丹努琉 氏の対談をもとに編集しています。

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