世界3000店舗構想と理念|ハードオフコーポレーション
https://www.hardoff.co.jp/hardoff-family/topics/interview/3690/
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日本式リユースで世界へ。
従来の暗いイメージを払拭し、『安心・清潔・透明』な店舗づくりで日本のリユース市場を変革したハードオフコーポレーション。パートナーとの「共創」の中で見出した成功法則を武器に、海外でも低リスクかつスピード感のある展開を実現しています。
倒産寸前の“崖っぷち”から、世界3000店舗構想へ
まさに「崖っぷち」でした。
1972年に創業した当時は、オーディオ専門店「サウンドクエスト」を営んでいました。しかし、バブル崩壊と共に売上が激減。資金繰りに追われ、「いつ潰れてもおかしくない」という極限状態に追い込まれました。
そこで私は考え抜きました。「このまま座して死ぬくらいなら、全く新しいビジネスに賭けてみよう」と。そこで目をつけたのが、当時まだ一般的ではなかった「リユース(再使用)」のビジネスです。

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猛反対でした。新品の高級オーディオを売ることに誇りを持っていた社員たちにとって、「中古品屋になる」ということはプライドが許さなかったのでしょう。
「新しいビジネス(ハードオフ)に転換する」と発表した時、当時36名いた社員のうち、半分の18名が辞めていきました。あれは経営者として一番切なく、悔しい経験でした。
それでも、「21世紀は必ず環境の時代(エコロジーとエコノミーの共存)が来る」という確信だけは揺るぎませんでした。残ってくれた18名と共に、既存店を閉店セールで空にし、看板を架け替え、背水の陣で挑んだのが1993年の「ハードオフ」1号店です。
偶然の再会から生まれた「最強のパートナーシップ」
すべては、ブックオフ創業者の坂本孝氏との「偶然の再会」から始まりました。
実は坂本さんとは、ハードオフを始める遥か昔、オーディオ専門店の勉強会で知り合った仲でした。その後、お互い音信不通になっていたのですが、私がリユース業への転換を模索していた時、たまたま雑誌で坂本さんが「ブックオフ」を始めていることを知ったのです。
「考えていることが似ている!」と直感し、すぐに連絡を取りました。そこで意気投合し、「一緒にやりましょう」と、話が進みました。
ええ。実は当初、私は店名を「ハードオン(HARD ON)」で商標登録まで済ませていたんです。
ですが、これから坂本さんの「ブックオフ」と同じ建物で一緒に店をやるわけです。バラバラの名前でやるよりも、名前の語尾を揃えて「姉妹店」のような統一感を出した方が、お客様にも覚えてもらいやすいし、相乗効果(シナジー)が生まれると直感しました。
そこで、こだわっていた「オン」を捨てて、「ハードオフ」に変更したのです。そして1号店は、1階がブックオフ、2階がハードオフという「複合店」としてオープンしました。

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はい。お互いのフランチャイズ加盟店を紹介し合ったり、物件をシェアしたりすることで、単独でやるよりも遥かに早いスピードで全国展開が可能になりました。
自分たちのブランドだけに固執せず、「志を同じくする強いパートナーと組む(共創する)」。この成功体験が、その後の私たちの成長戦略の根幹になっています。
どんな立地でも勝てる仕組みと柔軟性
「リユース」という軸はぶらさずに、専門店としての「横展開」と「深掘り」を進めてきたからです。
最初はオーディオや家電の「ハードオフ」だけでしたが、お客様の要望に応えて、衣類の「モードオフ」、家具雑貨の「オフハウス」、おもちゃの「ホビーオフ」など、生活のあらゆるジャンルへ業態を広げました。
さらに、楽器専門の「楽器スタジオ」や「工具館」など、よりマニアックな深掘りも進めています。
最大のメリットは「出店の柔軟性」です。
私たちの店舗は、1000坪の大型店もあれば、わずか20坪の小型店もあります。例えば、「この立地は狭いから、おもちゃ専門のホビーオフだけ出そう」とか、「ここは広いから、ハードオフとオフハウスを組み合わせよう」といった具合に、立地や物件に合わせてパズルのように最適な業態を組み合わせることができます。
この「どんな場所でも出店できる柔軟性」という武器を持っていることが、国内での拡大はもちろん、海外で現地のパートナー店舗に入居する際にも大きな強みになっています。
成功モデルを世界へ。「親日」×「パートナーシップ」戦略
おかげさまで、台湾1号店のオープン初日には5,000人ものお客様が行列を作ってくれました。入場制限をかけるほどの熱気でした。
背景には、台湾の方々の「親日」感情があります。「日本のモノは品質が良い」「日本人がチェックした中古品なら安心だ」という、日本ブランドへの信頼が最初からあったことが、ロケットスタートの大きな要因です。

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ここでも、創業期にブックオフと組んだ時と同じ「パートナーシップ戦略」が生きました。
実は、台湾の1号店・2号店は、すでに現地に進出していた「ニトリ」さんの店舗内に出店させてもらったのです。ニトリさんが「売り場が少し広すぎるから、ハードオフさんどうですか」と声をかけてくださって。
その通りです。その後も、現地の家電量販店や、フランス発の大手スーパー「カルフール」の店内に出店しています。
自分たちだけでゼロから集客するのではなく、すでに集客力のある「強いパートナー」の力を借りる。この「共創」のスタイルこそが、海外展開のリスクを最小限にし、スピードを最大化する秘訣です。
ジャパンクオリティで怪しさを「安心」に変える
はい。しかし、それは単に「モノが良い」というだけではありません。私たちが創業以来こだわってきた「安心・清潔・透明性」という店舗のスタイルが評価されているのです。
かつてのリサイクルショップには、「暗い・汚い・怪しい」というネガティブなイメージがありました。私たちはそれを払拭するために、明るい照明、整理整頓された陳列、明朗な買取査定を徹底してきました。
SDGsの時代、リユースは社会のど真ん中にあるべきビジネスです。だからこそ、業界全体が健全でなければなりません。
そのために、2008年に「日本リユース業協会」を立ち上げ、私が初代会長を務めました。「リユース営業士」という資格制度を作り、働く人のプロ意識と社会的地位の向上にも努めています。
この「怪しさを排除した、クリーンな日本流リユース」というパッケージこそが、世界中のどの国に行っても受け入れられる、私たちの最大の強みなのです。
国内2000、海外1000。合計3000店舗への「夢」
長期的なビジョンとして、国内2000店舗、海外1000店舗、合わせて3000店舗体制を目指しています。
国内はもう飽和していると思われるかもしれませんが、まだ西日本を中心に空白のエリアが多く残っています。10万人に1店舗という私たちの商圏モデルを当てはめれば、国内だけで2000店舗は十分に可能です。
そして海外は、これからの成長エンジンです。台湾での成功をモデルケースに、アメリカや東南アジアへ、時間をかけてでも着実に「日本流リユース」を広げていきます。
はい。21世紀は環境の世紀です。リユースは、まさにSDGsのど真ん中にあるビジネスだと自負しています。
「もったいない」という日本の精神を、ハードオフという店舗を通じて世界中に広げていく。買ってくださる方も、売ってくださる方も、どちらも社会貢献の主役です。そんな明るい循環型社会を、これからも世界規模で作っていきたいと思います。

グローバルニッチトップ事業本部 取締役
日本企業が海外で持続的に成果を上げるための戦略をリードしている。
“共創”が、リユースを産業に変えた。
ハードオフが築いたのは、単なる中古ビジネスではなく「安心を提供する仕組み」です。 暗く見えがちな中古業界に“明るい店舗文化”を根付かせ、信頼と清潔さをブランドの核にしました。
海外展開では、台湾・アメリカ・東南アジアなど現地大手(ニトリ・カルフール等)との協業により、 リスクを抑えつつスピード感ある出店を実現。これは創業期にブックオフと築いた連携の延長線上にあります。 一貫しているのは、「単独で拡大する」のではなく「パートナーと共に成長する構造」を設計する姿勢です。
今後は、SDGsやサーキュラーエコノミーの潮流の中で、 “日本品質のリユース”が世界で通用する産業基盤となる時代が来るでしょう。 ハードオフの歩みは、その未来を先取りするケーススタディです。
ハードオフコーポレーションの基本情報
1972年創業。1993年に新潟で「ハードオフ」1号店を開業して以降、明るく清潔で査定の透明性を重視した“日本流リユース”を全国へ多店舗展開。ブックオフとの複合出店や、品目別の専門業態(モードオフ/ホビーオフ/工具館等)で立地・規模に応じた柔軟な出店モデルを確立しています。海外はアメリカ(カリフォルニア・ハワイ)、台湾、タイ、カンボジアに展開。国内外の合計で「1000店舗超(取材当時)」に到達し、長期的に国内2000/海外1000=計3000店舗を目標としています。
| 会社名 | 株式会社ハードオフコーポレーション |
|---|---|
| 所在地 | 新潟県新発田市新栄町3-1-13 |
| 代表者 | 会長:山本 善政 社長:山本 太郎 |
| 事業内容 | 買取→生産(再生)→販売 |
| 海外展開地域 | ハワイ(アメリカ)/台湾/カンボジアなど |
| 公式サイト | https://www.hardoff.co.jp/ |
本記事はFM軽井沢のラジオ番組「軽井沢ラジオ大学」での対談を再構成しています
このインタビューは、FM軽井沢にて放送された「軽井沢ラジオ大学」 株式会社ハードオフコーポレーション 代表取締役会長山本 善政氏 × Zenken株式会社 取締役 本村 丹努琉 氏の対談をもとに編集しています。
